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気管支鏡検査一覧

症例461

オクムラグレ150428BS-右中間幹

【症例461動画】 グレちゃん。トイプードル 6歳 メス 2.16kg。来院経緯と主訴:赤坂動物病院(東京都港区)より診療依頼を受けました。主訴は、5週間続く遷延性咳漱。抗生剤や鎮咳剤やネブライザー療法でもコントロールできなかった。同居犬3頭あるが他は無症状。2015年4月28日、精査希望のため呼吸器科受診となった。最終診断は亜急性気管気管支炎。 既往歴:肉芽腫性脳炎(1.5年前からプレドニゾロンとプロカルバジンにて治療中)、子宮蓄膿症(1年前、全摘術)、慢性膿皮症(4ヶ月前から抗生剤と薬用シャンプーで加療中)。 問診:咳は痰産生性、連日、1日10回程度、1回に4-5回連続する。とくに飲水後や食後に鼻汁やくしゃみをともなって咳が多い。夜間に多く、1週間前は熟睡できないほどであった。受診時に70%ほどに減少。 診察時の徴候:軽度の運動失調(肉芽腫性脳炎のため?)、全身の皮膚は発赤熱感帯び多発性小膿疱あり。 その他の臨床検査所見:CRP17mg/dl。血液ガス分析異常なし(Pao2 87 mmHg、Paco2 32mmHg)。X線および透視検査で頭部、胸部とも異常なし。抗核抗体および犬リウマチ因子はともに陰性。 喉頭鏡および気管気管支鏡所見:喉頭発赤軽度、肉眼的異常なし。気管支肺胞洗浄液解析(RB2, 5mlX3, 回収率37.3%)も行った。肉眼性状は透明。総細胞数増加なし(176/mm3, 正常82-286/mm3)、細胞診にて細胞分画ではマクロファージ68.8%(正常92.5%)、リンパ球0.8%(正常4.0%)、好中球30.5%(正常2.0%)、好酸球0.0%(正常0.4%)、好塩基球0.0%(正常0%)。ほぼすべてが泡沫状マクロファージ。慢性活動性炎症パターン。気管ブラッシングおよび気管支肺胞洗浄液からともにBordetella bronchiseptica +2が分離され、ERFX, OFLX, CPに感受性を示した。 最終診断:亜急性気管気管支炎。長期間の免疫抑制療法による日和見感染と考えられた。  最終治療:ERFX5mg/kg SCまたはPO 2週間、およびネブライザー療法(生食20ml+クロロマイセチン局所溶液0.5ml+ビソルボン吸入液0.5ml+メプチン吸入液0.5ml、1日2回2週間)。次に経過みつつ1日1回に漸減。 転帰:状態良好のため検査当日退院。現在経過観察中。