気管支鏡検査一覧

症例462

ヤマモトリュウ150503BS-RB2狭窄

【症例462動画】 リュウちゃん。雑種猫 14歳齢 オス 体重6.78kg。来院経緯と主訴:おかの動物病院(横浜市)より診療依頼を受けました。主訴は、4ヶ月前から続く持続性スターター(鼻詰まり)と慢性鼻汁。2-3年前より月に2-3回の発作性発咳あり猫喘息疑いで発作時のみプレドニゾロン5mgを内服していた。2015年5月4日、精査加療希望のため呼吸器科受診となった。 既往歴:特になし。 問診:1年前から鼻汁が始まり、4ヶ月前から次第にスターター(スースーいう鼻詰まり症状)と鼻汁が悪化し、食欲低下。 診察時の徴候:体重減少(4ヶ月前は8.0kg)、持続性高調スターターあり。 その他の臨床検査所見:軽度の低酸素血症(Pao2 81mmHg、正常88−118mmHg)、AaDo2の開大(33mmHg、正常20mmHg未満)。頭部X線検査にて鼻咽頭道の狭窄と呼気時咽頭拡張、胸部X線検査にてびまん性スリガラス状陰影。前部鼻鏡検査にて鼻咽頭背側壁に、白色および表面が凹凸不整な扁平隆起病変が確認され、この粘膜病変は生検鉗子で容易に崩れやすかった。ブラッシング標本の細胞診にて少数のリンパ球様細胞が認められた。 喉頭および気管気管支鏡所見:肉眼的には可視範囲内の気管支粘膜は全体的に肥厚し、体格に比して気管支内径が細く、極細径気管支ファイバースコープ(外径2.5mm)を使用した。気管支肺胞洗浄液は末梢気道が狭く虚脱しやすく十分に回収できなかった(RB2, 5mlX2, 回収率12%)。その回収液は淡い赤色透明、総細胞数正常(203/mm3, 正常55-105/mm3)、細胞診にて細胞分画ではマクロファージ14.5%(正常82%)、リンパ球6.8%(正常2.7%)、好中球75.0%(正常4.0%)、好酸球3.5%(正常10%)、好塩基球0.0%(正常0%)。腫瘍細胞なし。慢性活動性炎症パターン。微生物検査中。 暫定診断:慢性気管支炎と鼻咽頭内腫瘍、暫定処置:在宅ネブライザー療法(生食20ml+ゲンタマイシン0.5ml+ビソルボン0.5ml+ボスミン0.5ml+デキサメタゾン0.25ml、1日2回)  最終診断:– 最終治療:– 転帰:検査翌日、無事退院。経過観察中。