呼吸器科ポリシー

呼吸器専門診療の姿勢

  • 医学的にも技術的にも未発展な獣医呼吸器診療に特化し、毎日呼吸器難症例のみを1例ずつていねいに診療し、診療技術を徹底的に磨き上げ、犬猫の呼吸器難疾患を「助かる」病気にすることを第一の目標とします。
  • 症例は一期一会、一例ごとによく考えベストな治療を行います。
  • 一例ごとに、確定診断→治療→効果判定を堅持し、次世代につながる診療を行います。
  • 診療実績数を公開します。

かかりつけ医と呼吸器科

  • 呼吸器科は、専門知識や特殊技術を要する呼吸症状に関して診療を行います。呼吸器科以外の診療や予防注射等の健康管理は行いません。
  • 呼吸器科はかかりつけ医様の総合診療の一環でありたいと考えております。呼吸器科診療中は、診療報告を密接に行い、かかりつけ医様と飼い主様のパイプ役になります。
  • 呼吸器科は初期治療までを行い、原則として簡単な処置・検査のための継続的な通院診療を行いません。多くの場合、患者様の来院回数は初診時、退院時、1~3ヶ月後の経過観察時の3回までとなります。のちの追跡調査などは電話またはメールにて行います。もちろん状況に応じて再診や定期的な気管支鏡検査などを行いますが、安定期の継続診療や緊急的応急処置はできるかぎりかかりつけ医様で行っていただきます。ただし、患者様の強い要望があり、呼吸器科でも通院治療が適切と考えられ、かかりつけ医様も同意された場合は、数ヶ月ごとの通院診療を行うことがあります。

呼吸器診療に関して

  • 呼吸を楽にするための初期安定化を必須の1stラインと考えます。
  • その次に確定診断を行い「治すための」特異的治療を行います。
  • 可能な限り早期に確定診断を行います。
  • 確定診断なくして特異的治療は行いません。
  • 治療法に関しては、予後判定を以下の4つに分けて事前に説明します。
  • Good prognosis:予後良好。
  • Guarded prognosis:現時点で予後は不明確。成功例があるが数例のみで治療後の方向性は良い事も良くない事もある。しかし現在緊急状態ではない。
  • Challenging:成功するかもしれないが、前例少なく挑戦的。無処置では確実に状態が悪化する可能性が高い、または緊急性あり。
  • Poor prognosis:治癒率は低いと考えられる。 獣医呼吸器臨床ではエビデンスと呼ばれるような臨床研究はとても少ないので、それを補うために、呼吸器科医としての五感、検査結果、一般論、ヒト医学からの外挿、私の経験や技術レベル、様々な情報などから総合的に考えます。

呼吸器科の診療範囲

  • 鼻、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺の病気が当院の診療対象です。これら気道系以外の病気で呼吸器症状が発生する場合もありますが、その場合は一次検査にて判定し、適切な診療科受診をご提案いたします。
  • 気管支鏡検査および気管支鏡手術、鼻鏡検査、上気道手術は当院で行います。病気紹介、治療法紹介、症例紹介ページを参照ください。
  • 初診時の夜間救急は夜間病院または24時間救急対応病院に緊急処置を受けていただくようお願いします。そのあと救急医やホームドクターの依頼に応じて、確定診断や特異的治療に関する二次診療は呼吸器科で行います。
  • MRI検査は、検査機関(キャミック)にて行います。
  • 鼻、気道、肺の悪性腫瘍に対しては、緊急処置や初期安定化および診断まで行います。特異的治療に関しては、専門知識や密接な診療が必要となるため腫瘍科またはかかりつけ医に継続診療を依頼します。

免責事項

  • 呼吸器専門診療という性格上、初診は1日1件までとさせていただいております。少なくとも前日12:00までに診療予約メールを送っていただくようお願いします。また、予約キャンセルの場合、少なくとも前日17:00までには連絡いただけるようお願いします。
  • 呼吸状態が不安定な動物の診療、手術、入院管理を行っておりますので、電話対応は行なっておりません(そのため電話番号公開を控えさせていただいております)。また、診察、二次検査、手術が予定通り開始できないことがあります。予約や診療一般に関するお問合せは、大変お手数ですが、トップページの「ご予約・お問合せ」ボタンよりEメールにて御願いします。ご理解、ご協力のほどよろしく御願いします。
  • 飼い主様から電話やEメールのみでの診療相談やご来院前の呼吸器科受診の適否の相談はお受けしておりません。当施設は専門診療病院であり、私たちによる診察や検査による客観的所見が得られたのちに飼い主様にもっとも適切な治療方針をご提案しております。ご来院の決定に関しては、お問い合わせメール対して当院診療システムの概要を自動返信メールで説明しておりますので、それを参考になさってください。
  • 飼主様から診療費見積もりの電話でのお問合せは対応しておりません。「費用」の項をご参考いただくか、大変お手数ですがホームページ上段の「ご予約・お問合せ」ボタンからEメールでお問合せいただくようお願いします。できるだけ早く返信いたします。呼吸状態が不安定な動物の診療を行っておりますのでお電話時の対応はいたしかねる旨、どうかご理解のほどよろしく御願いします。