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犬・猫の呼吸器臨床研究会の「犬の咽頭気道閉塞症候群と定義した89例の後向き研究」論文が掲載されました。

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犬の咽頭気道閉塞症候群89例、動物臨床医学 2019;28:93-99.←論文はこちらをクリック

今年2019年9月の動物臨床医学雑誌Vol.28 No.3 2019にて、犬・猫の呼吸器臨床研究会(VeRMS Study Group)のグループ執筆で、新しい犬の疾患を提唱した論文「犬の咽頭気道閉塞症候群と定義した89例の後向き研究」が掲載されました。相模が丘動物病院呼吸器科時代からの2009年から2013までの診療記録を緻密に解析し、非短頭犬種でも短頭種のような咽頭閉塞疾患があることを証明し、定義とグレーディング、治療法、治療成果、予後について詳細に報告しています。本内容は、昨年2018年の第39回動物臨床医学会の一般口演にて発表し光栄にも学会長賞の評価をいただきました。肥満が原因の約半数を占め、その場合様々な呼吸困難症状は徹底した減量を行うことで3ヶ月後には86.7%の症例で呼吸困難症状は改善しました。減量の有効性を学術的に証明しました。この疾患は肥満以外にも生まれつき咽頭気道がせまい犬にも生じ、その鑑別は頭頸部X線検査と透視検査が必要となります。とくに透視検査はこれまでにない独自の方法にて行いました。様々な治療法の評価も行なっており、学会では高く評価されました。論文詳細は後日私の研究業績の中で紹介いたします。現在も、当院の犬・猫の呼吸器科にてこの検査方法、診断基準、予後判定は引き継がれ、犬の咽頭気道閉塞症候群を診断し適切な治療を行なっております(城下)。