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気管支鏡検査一覧

症例447

Veterinary Bronchoscopy#447-RB3部軽度浮腫

症例447動画】 マウちゃん。エジプシャンマウ 1歳齢 オス 体重4.68kg。東京都世田谷区より飼い主様ご希望で受診。猫喘息を疑っているが確定診断を希望。症状:2ヶ月前より発作性咳が増加し、最近2週間で連日、1日に10-20回、一度の発作は15-30秒続き、次第に苦しそうになってきた。最終診断は猫喘息。その他の臨床所見:発作間期は問題なく、日常生活の活動性低下なし。食欲あり、くしゃみなどの上気道症状なし。現在表在性を含む寄生虫感染や皮膚および消化器系症状や脱毛性疾患なし。他動物と接する機会なし。殺虫剤/芳香剤/線香など刺激吸入物なし。1歳の同種の猫が同居しているが発作性咳症状はみられない。多飲多尿あり。いびきなし。軽度の低酸素血症(Pao2 76mmHg)、AaDo2の開大(41mmHg)。胸部X線検査にて左前肺野に境界不明瞭な肺胞浸潤影、および後肺野にスリガラス状陰影およびびまん性に気管支パターンあり。 気管支鏡所見:肉眼的には可視範囲内の気管支粘膜に軽度の発赤と浮腫ある程度。気管支ブラッシング(LB1D1)を行い細胞診では上皮細胞のみ、微生物検査にて細菌陰性。気管支肺胞洗浄液解析(RB2, 10mlX3, 回収率53%)では、回収液はうすい白色透明、総細胞数増加(720/mm3, 正常55-105/mm3)、細胞診にて細胞分画ではマクロファージ40.0%(正常82%)、リンパ球0.6%(正常2.7%)、好中球21.4%(正常4.0%)、好酸球37.8%(正常10%)、好塩基球0.0%(正常0%)。腫瘍細胞なし。好酸球性炎症パターン。微生物検査にて細菌陰性。好酸球増加性のⅠ型過敏症が確認されたのでアレルゲン検査実施し35/92種に陽性反応を示した。 最終診断:猫喘息。気道感染なし。 治療:アレルゲン回避とステロイド吸入療法を開始。 転帰:検査後状態良好のため当日退院。ステロイド吸入療法は初回から速やかに受入れ可能であった。 その後の経過:治療開始3ヶ月目の再診にて、ステロイド吸入療法はその後も協力的で問題なく実施可能であり、発作性咳は週に0-1回、一度に15秒だけ続くが繰り返さないとのことだった。ステロイド内服は一度も使用する必要がなかった。低酸素血症は完全に回復し(Pao2 96mmHg)、AaDo2も改善し(25mmHg)、すっかり元気になった。処方は、猫専用スペーサー(AeroKat)を用い、フルタイド50μgエアゾール120吸入用、1日2回1スプレーずつ。今後はかかりつけ医にて継続診療となり、呼吸器科では半年に1回定期検診となった。