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気管支鏡検査一覧

症例429

症例429動画】 ヒヨリちゃん。マルチーズ 10歳齢 メス 体重3.54kg。セラピスト動物病院(町田市)より診療依頼を受けました。 症状:急性発咳(10日前より、一度に2分以上続く音量の大きな持続性咳と痰産生咳が1日に10-20回以上あり、夜間睡眠できない)。最終診断は急性気管気管支炎。その他の臨床所見:食欲あり、1年前より僧帽弁閉鎖不全症の治療中、とくに左心房拡大あり、中程度低酸素血症(Pao2 69mmHg)、CRP 0.0mg/dl。 気管支鏡検査所見:肉眼的に気管分岐部周辺の発赤と粘膜面の凹凸不整、気道異物なし、RB2,RB3,RB4の気管支虚脱、左主気管支の狭窄あり。気管ブラッシング標本細胞診にて好中球主体の急性炎症所見。気管支肺胞洗浄液解析(RB2, 5mlX3, 回収率44.0%)の細胞診にて、総細胞数は増加(270/mm3, 正常82-286/mm3)、細胞分画ではマクロファージ51.2%, リンパ球1.0%, 好中球 47.2%, 好酸球 0.2%, 好塩基球 0.0%, 腫瘍細胞みられず、慢性活動性炎症パターンを示した。ブラッシング標本および気管支肺胞洗浄液にともに細菌は検出されなかった。 最終診断:急性気管気管支炎(回復期)、心臓拡大による多発性気管支軟化症と左主気管支の圧迫。急性発咳は前者によるが後者は誘因と遷延化に関わっていると思われた。治療:抗生剤中止。循環器の精査を指示。転帰:検査後、回復良好のため当日退院。経過観察中。