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透視検査
上気道および中枢気道の動的評価が主体となる。末梢気道・肺実質疾患でも嚢胞状陰影はよく評価できる。X線検査で識別しにくい嚢胞状陰影でも膨らんだり縮小したりする動きが明瞭になるので、その位置をよく把握することができる。また、気管支拡張症や気管支軟化症で呼吸相間の動きや気管支軟化症も動きが明瞭となるので虚脱の程度が葉気管支までか、主気管支までか、気管分岐部まで含むのかが良くわかる。リアルタイムで異常呼吸音を録音するため鼻先5cm以内にマイクをおく。
頭部
横臥で、撮影台に対し硬口蓋が垂直、両側下顎骨がちょうど重なる、鼻咽頭と喉頭を中心、画面底辺と硬口蓋が平行になるように保定する。両側前肢をやや台からあげるように軽くローテーションするようにするとうまく保定できる。可能な限り閉口させて、同一保定で少なくとも3呼吸は続けて撮影する。助手に、胸の動きで吸気と呼気を知らせてもらう。吸気時咽頭閉塞or咽頭拡張か、呼気時咽頭閉塞or咽頭拡張か、常に咽頭閉塞、常に十分に咽頭開存、喉頭の前後運動(なし/軽度:舌骨伸展わずか/中程度/重度:舌骨伸展著明)、披裂外転(なし/あり/不明瞭)、動的頸部気管虚脱(なし/あり:安静時気管径の1/2以下の虚脱)を観察する。
頸部
横臥保定のまま、喉頭から頸部気管をモニタ内に位置させるように移動する。両側前肢は静かに台に降ろし、やや前方に伸ばす。可能な限り閉口させて、同一保定で少なくとも3呼吸は続けて撮影する。助手に吸気と呼気を知らせてもらう。動的頸部気管虚脱(あり=安静時気管径の1/2以下の虚脱)、呼気時頸部気管拡張、頸部気管のローテーションによる気管横径の変化、胸郭前口部気管の呼吸相に関わらない扁平化の有無を観察する。
胸部
頸部の保定のまま横に移動し、モニタ内に胸部気管、気管分岐部、主気管支を映し出す。同一保定で少なくとも3呼吸は続けて撮影する。呼気時胸腔内気道虚脱/吸気時気道拡張(なし/軽度:主気管支や葉気管支のみ/中程度:気管分岐部まで/重度:胸部気管まで全体)、前葉気管支の吸気時拡張/呼気時虚脱(あり/なし)、努力呼吸(なし/あり:第1-2肋骨の動きあり)。囊胞状陰影の位置と呼吸相間変化(なし/あり)、後肺野の過膨張と呼気時肺収縮不全(なし/軽度/中程度/重度)、左心房拡大の範囲(なし/軽度:大動脈-左心房間隙明瞭/中程度: 同間隙わずか/重度:同間隙なく広く接着)、滑脱性裂孔ヘルニア(なし/あり)をみる。次に、伏臥保定にて、左右の肋骨を左右対称に位置させる。囊胞状陰影の左右の位置や気管支拡張の呼吸相間の動的変化。肺過膨張の左右差を観察。
最終更新日:2017.2.28