Blog-Dr城下の呼吸器雑記帳

Cough

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Cough = 「発咳」or 「咳漱」?

医中誌検索(1977-、検索日2015.8.19) 「発咳」:107件(「発咳、獣医」:19件)。ただし人医分野で「誘発咳漱」を含む文献がかなり多く混入 「咳漱」:115件

Yahoo 完全一致検索(検索日2015.8.20) 「発咳」:約6,210件 「咳漱」:約76,000件

ウィキペディアは「咳漱」https://ja.wikipedia.org/wiki/咳漱。ページ内に言い換えの語として「発咳」の語はない 獣医学大辞典(チクサン出版、1989)には「cough」記載なし

ステッドマン医学大辞典(改訂第4版、メディカルビュー、1997)にはcough  = 咳、と訳されていた 犬と猫の呼吸器疾患(インターズー、2007)では、目次の見出しで「急性発咳と慢性発咳」と訳されている章がある

結論:人では「咳漱」。獣医では、なぜか「咳漱」といわず「発咳」と言うことが多いです。人の医師に、「はつがい」って何?と聞かれた事があります。犬と猫の呼吸器疾患(インターズー、2007)でも「発咳」が使用されていますが、やはり獣医領域のみの特殊な言い方のような気がしますので、今後、当院呼吸器科では紛らわしさをなくすため、人でも獣医でも通用する「咳」を使用することにいたします。ただし咳の分類に関しては、犬と猫の呼吸器疾患(インターズー、2007)に従い、「急性発咳」、「慢性発咳」、「発作性発咳」などと表記します。形容詞をつけて表現する場合は「咳」を使用します。たとえば、「乾いた咳」「持続性の咳」と表現します。

最終更新日:2016年11月1日