気管支鏡検査一覧

症例473

オカゾエアンディ150621BS−喉頭麻痺, Tie-back後

【症例473動画】 アンディちゃん。スタンダードプードル 11歳 オス、体重25.4kg。 来院経緯、主訴、問診:症例452(ベルどうぶつクリニック(町田市)の院長先生のご愛犬で喉頭麻痺と診断)が3.0ヶ月経過し、2015年6月21日、3週間前から運動後ストライダーがみられるようになり苦しそうになることがあるとのことで再診。診察時の徴候:持続性高調ストライダーあり。 臨床検査所見:血液化学検査にて肝酵素上昇(GPT230U/L, GOT471U/L, ALP3252U/L)。 喉頭および気管気管支鏡検査所見:肉眼所見にて3ヶ月前と同様に披裂軟骨小角結節の外転なく、深吸気時に内転が認められた(奇異運動)。 確定診断:特発性喉頭麻痺  最終治療:左側披裂軟骨側方化術。 転帰:手術翌日退院。術後管理はベルどうぶつクリニックに依頼。10日後抜糸にて来院。透視検査にて3ヶ月前(症例452)でみられた異常呼吸音と動的頸部気管虚脱はほとんど消失した。術前は下を向いて苦しそうに飼主の後から歩いていたが、術後は飼主の前を引っ張るように元気に歩くようになったという。ベルどうぶつクリニックの岡添院長によれば、肝臓疾患のために長期にわたってメトロニダゾール250㎎をSIDで飲んでいたが、この薬剤は中枢神経や末梢神経障害がおこすことがあるそうです。そのため、スタンダードプードルで珍しい特発性喉頭麻痺になってしまったではと考察されていました。そのため現在は、食道や後肢など全身の末梢神経障害の進行を阻止する意図で、メトロニダゾールの投与を中止しているそうです。