気管支鏡検査一覧

症例464

VB#464-喉頭-アライアルファー150510喉頭

【症例464動画】 アルファーちゃん。シェルティー 9歳齢 オス 体重6.20kg。来院経緯と主訴:どうぶつの総合病院(埼玉県)より診療依頼を受けました。主訴は、2ヶ月前から続く食直後の吐出、レッチング、慢性発咳。喉頭から上部気管の疾患を疑われているとのことであった。2015年5月10日、精査希望のため呼吸器科受診となった。最終診断は慢性喉頭炎。既往歴:特になし。 問診:2ヶ月前に急に嗄声、咳、レッチング、食後や飲水後の吐出が始まった。抗生剤やステロイド投与でも改善せず。食欲はあるが食後に咳に伴い吐出してしまうようになった。流動食や水でも同様であった。現在、咳が減少してきたがレッチングはよくみられ、数日に1回嘔吐がある。  診察時の徴候:一般状態は良好だが、ときおりレッチングがみられた。その他の臨床検査所見:血液ガス分析にて酸素化と換気に異常ないが代謝性アルカローシスあり、頭部X線検査にて喉頭部の鮮鋭度低下。 前部鼻鏡検査にて鼻腔、鼻咽頭、咽頭内口に粘膜異常なし。 喉頭および気管気管支鏡検査所見:肉眼的に、喉頭蓋服側の血管怒張、喉頭周囲に多量の粘液付着、喉頭発赤、声帯ヒダの腫脹あり。可視範囲内の気管気管支樹内に肉眼的異常を認めなかった。 喉頭周囲の粘液を微生物検査に、喉頭粘膜生検標本を病理組織検査に供した。 最終診断:慢性喉頭炎。急性咽喉頭炎から慢性化したと考えられた。一般に急性咽喉頭炎は、吸入刺激物質、細菌性中内耳炎の下行性感染、胃酸熱傷などが原因と考えられています。 最終治療:在宅ネブライザー療法(生食20ml+ゲンタマイシン0.5ml+ボスミン外用液0.5ml+ビソルボン0.5ml、1日2回)。 転帰:検査後、抜管後問題なく覚醒。状態良好のため当日退院。現在経過観察中。