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Q1: 急性型ILDの治療ではステロイドは使用しないのか?

A1: 急性型の場合、FHV-1/FCV感染が関わっていると考えられ、ウイルス感染を悪化させる可能性があるので使用しません。その代わり、NSAIDなどを使用することはあります。重要なのは、一般的なウイルス感染症の治療と同様に支持療法となります。

Q2: BAL細胞診標本の作製法について再度詳しく教えてほしい。

A2: 静置沈降法という方法です。ヒトのBALガイドラインにも記載があります。ろ紙の中央に長さ3cmほどの両面テープを表と裏に貼り、さらにその中央に直径10mm程度の穴をくりぬきます。スライドグラス中央にその準備したろ紙をはりつけ、2.5mlシリンジの外筒のみをくりぬいた穴の上にハブ側を上にしてしっかり貼り付けます。私は1回の検査で、これを3セット用意し、ひとつのセットに回収したBAL液をゆっくり0.5mlずつ入れ15分間静置します。そうすると、液体はろ紙に吸収され、細胞成分はスライドグラスに沈殿します。そのあとは、通常のディフクイック染色やGram染色等を施し、標本を完成させます。

Q3: 猫の喉頭麻痺の治療について現在の見解について教えてほしい。

A3: 未だ議論のあるところですが、上気道症状が重度でもtie-backや永久気管ろう設置術を施した場合より、非外科的に治療した方が保存的に治療した方が有意に生存期間が長かったという報告があります。しかし、QOLとしてはどちらがよいかは答えは出ておりません。

Q4: 気管内ステント留置後に生じる反応性肉芽に対し、マイトマイシンCを使用していたが、肉芽に対し効果ありと考えてよいか?

A4: 効果があると考えてよいです。マイトマイシンCは、抗癌剤のひとつですが、現在は強力な肉芽形成抑制作用の方が注目されています。ヒトでは、気道内ステントによる反応性肉芽には、アルゴンプラズマ凝固とマイトマイシンC塗布を組み合わせることが、どちらか一方より肉芽抑制効果が長期間維持できるという報告があります。実際、この目的で私もいくつかの症例でマイトマイシンCを使用しておりますが、安定した肉芽形成抑制効果を確認しております。


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