外科 11 膀胱粘膜ポリープによりコーラ色の血尿が1ヵ月間続いたシェルティの1例

シェルティ、避妊済メス、4歳11ヶ月。体重11.75kg。「元気食欲あるが、1ヶ月前よりコーラ色の血尿が続いている。尿回数、一回尿量に異常なし」とのことで来院。
検査前。全身状態良好 1ヶ月間続いたコーラ色の血尿 膀胱2重造影。膀胱尖腹側部不整形の充填欠損 術中所見。膀胱切開にてもろいポリープ状組織あり切除した
経過:受診時、全身状態は良好だったがコーラ色の血尿がみられた。尿pHは8.0と上昇し、潜血もみられた。尿沈サには強拡大で確認できる程度のストルバイト結晶がみられ、移行上皮細胞集塊も多数みられた。膀胱粘膜の評価のため膀胱二重造影を行った。膀胱尖腹側部に結節増殖様の不整形な充填欠損像がみられた。膀胱腫瘍が疑われた。抗生剤を2週間投与し様子観察したが血尿は変わらず、膀胱切開にによる外科切除を行った。膀胱尖背側を1.5cm切開すると、くずれやすいポリープ状腫瘤物を認めその茎部より切除した。膀胱粘膜ポリープと病理組織診断され、切除のみで予後良好とのことだった。手術後翌日より血尿は消失した。
コメント:まだ年齢も若いので悪性だったら大変と思っておりましたが良性で安心しました。この犬の膀胱粘膜ポリープは最近報告がいくつかみられ比較的まれな良性腫瘍です。現時点で術後2年を経過しておりますが、血尿の再発はありません。
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