外科 1 猫の慢性便秘症に対する骨盤拡幅手術

Mix猫、メス、3歳8ヶ月齢。体重3.28kg。半年前交通事故の既往歴あり。「2-3日前から便秘続いている」との主訴で来院。
結腸内に巨大な宿便あり 手術所見。プレート設置 直後。骨盤が十分拡幅 術後1ヶ月。普通に歩く。
経過:受診時、レントゲンにて骨盤の恥骨前縁に骨の変形あり骨盤腔側に突出していた。そのため排便障害が生じ結腸内に巨大な宿便がみられた。恥骨前縁の変形は交通事故の影響によるものと考えられた。恥骨部分の突出部を削ったとしても再び術後増殖して再び骨盤腔が狭窄する可能性が高いので、矢田式骨盤拡幅プレート設置を行った。術直後の腹部レントゲンにて秘結便が十分通過できる程度、骨盤が拡幅されていることを確認した。術後経過は極めて良好で、毎日排便がみられるようになった。術後2-3日は軽度開脚して歩行していたが次第に正常歩様になり、1ヶ月後には歩行に何も問題がみられなくなった。
コメント:猫の慢性便秘症で悩まれている方は大変多いようです。骨盤骨折後の変形や先天的に骨盤が狭くなっていることが原因のほとんどです。自宅で3日ごとに便を強制的に出したてあげたりとか、1ヶ月ごとに病院で浣腸処置をしたりしてなんとかしのいでいますが、その都度猫に苦痛を与えることになります。この骨盤拡幅プレート設置術は現在まで3例行っておりますがいずれも見事に排便障害がなくなっております。
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