内視鏡 5-b 食道内異物-「ねじりっこ」

ペルシャ、オス、9歳。体重4.40kg。「本日朝に嘔吐を続けて6−7回あった」とのことで相武台動物病院を受診し、X線検査にてコード様の異物が食道から胃内にかけてあると診断された。
X線所見。食道から胃内にコード様の異物あり。 内視鏡所見。食道内にコード先端部が見えた。 内視鏡処置で先ず口の外まで出した。 異物は長さ30cmの「ねじりっこ」だった。
経過:T:38.7℃、P:200/分、R:40/分。相武台動物病院の真島先生より内視鏡下異物除去の依頼を受け、全身麻酔下にて上部消化器内視鏡検査を行なった。まず、食道内に白色のコード状物の先端部分を見つけた。把持鉗子で把持してゆっくり牽引し、口外にまで先端を出した。そのままゆっくり抵抗のないことを確認しながら指で全部引き抜いた。長さ約30cmの配線コードを束ねる「ねじりっこ」であった。異物摘除後、確認のため食道と胃を内視鏡で観察した。異物の残存はなかったが、胃粘膜に点状出血が数箇所認められるのみで大きな粘膜損傷はなかった。処置および検査時間は計10分であった。
コメント:猫の食道・胃内異物は珍しいとされています。内視鏡を用いれば、異物の形状等を直接確認し、適切な処置具選択し、食道粘膜を誤って把持しないように異物を把持回収できます。
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