内視鏡 1-g 胃内異物-軟式用テニスボール

柴犬、オス、2歳5ヶ月。体重8.96kg。「軟式用テニスボールを飲み込んだが吐き出さない。内視鏡で取ってほしい」とのことで来院。
内視鏡下で胃内異物を把持したところ 異物は胸部食道内に滞留してしまった 食道内の異物をマニセプスでしっかり把持した 異物は軟式用テニスボールであった
経過:一般状態良好。一部裂けて穴があいているテニスボールを飲んだという。上腹部X線で胃のほぼ全内腔を占める異物が認められた。椀状につぶれたテニスボールと考えられた。24時間絶食後、全身麻酔下、胃内視鏡検査を施行した。最初は、外径6mmの内視鏡に外付チャネルを設置し、大型の鰐口把持鉗子にてちょうどボールの裂け目を把持して慎重に胃内より牽引し何とか噴門を通過させた。しかし、胸部食道内で大きな抵抗が生じ鉗子が抜けて滞留してしまった。次に、透視および内視鏡観察下に食道内に内視鏡用マニセプスを挿入しそれでしっかり異物を把持し、慎重に牽引して異物回収に成功した。直径6cmの軟式用テニスボールであった。表面は腸液と胃液で変色していた。かなり悪戦苦闘し処置時間は71分だった。経過良好で当日退院した。
コメント:はじめX線を見たときに、「これは90%開腹手術移行だ」と思いましたが、結局なんとか開腹せずに異物をとりだせました。このようなやわらかいものであれば、多少大きくても内視鏡で回収できるかもしれません。
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