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IPV療法によって救命し得た犬の急性非心原性肺水腫の1例-会場での討論

Q1:このIPVはこのほかにどのような症例に適用しているか?
A1:犬では心原性肺水腫でも有効であったという報告もあるし、私もそのような経験があります。そのほかには、猫喘息でも使用しています。慢性気管支炎で気道内粘液が貯留した症例なども適応だと思います。

Q2:「IPV治療開始後3日で処置せず改善した」とのことだが、このような理学療法で完治した理由がわからない。最終的には好酸球性肺炎と診断されたというので、実はステロイドが効果を示したのではないか?
A2:IPV療法にいたる前に8時間、利尿剤とステロイド療法を試みており、ともに処置後びまん性肺胞浸潤影が悪化しました。最後にステロイド治療を行ってから少なくとも2時間は経過しており、その間まったく呼吸症状改善の傾向はありませんでした。しかし、IPV療法に入る前には呼吸困難が継続していたものが、1回目のIPVを終え明らかに呼吸症状が改善し、さらにSpO2の測定でもIPV前が69%であったものが1回目のIPV終了後92%にまで回復し、30分後の2回目IPV療法開始前にはSpO2が90%を越えていました。この減少は、IPV療法を重ねるごとに安定してきました。ですから、結果として好酸球性肺炎と診断はされましたが、初診時の状態はステロイドでコントロールできない状況にあり、物理的的なIPV療法の補助が必要であったと考えています。


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