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胸部X線像にてdiffuse patchy alveolar infiltratesを示した猫4例-会場での討論

Q1:ウイルス検査の結果も重要だと思うが、プレゼンの検査項目になかった。各症例について行ったか? また、ウイルス検査との関連はどう考えているか?
A1:症例4の特発性間質性肺炎と診断した症例については、ウイルス検査を行ってFeLV, FIVとも陰性でした。他の症例については手元の詳細データなく不明。再検討してみます。ウイルス抗体価と疾患あるいはDPAIとの関連については私にはデータまたは知識なく分かりません。よく検討する必要があると思います。

---参考まで以下に症例1-4のFeLV抗原、FIV抗体の結果を示します。

 FeLV FIV 
1 ND ND
2 (-) (-)
3 ND ND
4 (-) (-)

Q2:(座長より)症例1と2については結果として亡くなったということだが、本研究の考察後もやはり治療手段はなかったと思うか? 診断自体が予後不良を示したということであろうか?
A2:症例1と2については大変残念な結果になりました。気管支鏡検査とBALは合計40分程度で通常に終了し侵襲を感じませんでしたが、カテーテルにて気道内分泌物吸引を行ったとたん肺機能が低下し、覚醒に時間がかかりました。この処置が致死的な肺拡張不全の誘因と考えております。ですから、吸引せずに気管支鏡検査後すぐに覚醒させ、微生物学的検査にもとづいた抗生剤治療を行えば、違った結果になったかもしれないと考えています。症例1と2のような重度の下気道感染症自体に治療手段がない訳ではないと考えております。実際に、同程度の重度の下気道感染症の子犬の症例に対し、気管支鏡検査を実施し診断して、吸引を行わずに、抗生剤による治療で完全回復した症例を経験しております。


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