気管分岐部を閉塞する中枢気道内腫瘍に対しinterventional bronchoscopyにて管理した猫の1例-会場での討論
Q1:APCの吸煙対策は?
A1:APCの利点として発煙が少なく内視鏡処置中も視野を保ちやすいという点があり、特に今回行っておりません。もし、吸煙処置を行うのなら、軟性鏡処置では困難なので、硬性鏡を用い細い吸引チューブを処置具とともに操作孔に入れる方法があります。
Q2:気管支鏡操作中の酸素化はどのように行っているか?
A2:気管ろうから直接行ったときは気管支鏡の脇から酸素を投与しながら行いました。もし、気管ろうがなければ、通常私は気管支鏡検査中は、ラリンゲルマスクで気道確保しながら、Yアダプターを接続し、側管から酸素投与しております。
Q3:化学療法はなぜ行わなかったのか?
A3:肺腺癌に有効な抗がん剤を私が知らなかったからです。
Q4:一般に、気管支鏡検査や処置で片肺換気を行うことはないか?
A4:胸腔胸検査などでは検査内容により片肺換気を行うことがありますが、気管支鏡検査では行いません。私の聞いた話では、小動物ではヒト用の片肺換気専用の気管チューブを挿入することが困難であり、ブロックする方の気管支にバルーンをいれることがあるそうですが、術中よく移動したり、その管理に大変なので、できるかぎり片肺換気しないように検査を実施することが多いそうです。