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犬の睡眠時無呼吸症と考えられた5例-会場での討論

Q1:今回みられた5例で睡眠時無呼吸症の末期の呼吸困難というが、それではいびきのある犬に若いうちに軟口蓋切除などの手術を行っておけば、このような睡眠時無呼吸症末期症状が起こる可能性が少なくなるということか?
A1:そうであると推測しております。ただし、今後の臨床研究で手術を行った症例と行わなかった症例での発症率の差を調べていこうと考えております。

Q2:内科的上気道拡張とは?
A2:抗うつ薬である第4世代セロトニン取り込み阻害薬のトレドミンを1-2mg/kg 1日1−2回内服を行いました。ブルドッグでセロトニン脳内濃度上昇が上気道拡張と関係があるとの報告があります。そこで、まだ未公表ですが昨年本学会で症状と画像から上気道閉塞が疑われた14頭に犬に対し、この薬剤を投与し1カ月以内で81.8%の犬で上気道拡張効果が認められたことをお話しました。ただ、この薬剤は2ヶ月以上効果は持続しません。

Q3:この疾患は新しい病気ではないと思うが、なぜ今まで見つからなかったのか?
A3:人でもそうですが、まず、いびき自体が病気として認識されていなかったことが最大の原因だと思います。人でも、全人口の5%がすでに罹患していると考えられています。犬でも意識して睡眠呼吸障害を観察すれば、今後普通に見つかっていくと思われます。


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