気管支鏡検査一覧

症例414

症例414動画】 ナナちゃん。ジャックラッセル 8歳 メス。8ヶ月前に重度ストライダーを示し、ふく動物病院(東京都国立市)より緊急転送。CTや内視鏡検査により良性喉頭腫瘍が疑われていた。当院にて緊急気管切開を実施し、喉頭鏡にて喉頭前部と喉頭内を閉塞するマス病変を確認し生検。引き続き喉頭切開を行い外科的減容積術と切除面表層にアルゴンプラズマ凝固(APC)を行った。術後、呼吸症状は著明に改善した。病理組織検査にて横紋筋種(良性)と診断された。8日後、喉頭前部の残存部にさらに減容積術とAPCを追加した。今回、検診にて受診。症状:わずかにストライダーを示す程度。その他の臨床所見:特になし。気管支鏡検査所見:両側喉頭小角結節に小隆起病変あり、声門裂中央で接着していた。左側は赤色柔軟、右側は白色硬結を示しそれぞれ生検を行った。右側梨状陥凹部に表面平滑な結節病変が声門裂外側を占め喉頭横紋筋種の残存部と考えられた。喉頭内面に腫瘍残存部はなく平滑、気管切開部内面にも肉芽形成なく良好な状態であった。腫瘍は良性であったことから腫瘍残存部可視部にAPC処置を追加しさらに減容積を行った。最終診断:左側の隆起病変は炎症性肉芽組織、右側は粘膜下に軟骨化生巣を含む組織であり、ともに腫瘍性病変ではなかった。治療:無処置で経過観察 転帰:処置後特に問題なく状態良好。