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気道内ステント留置法-会場での討論

Q1:10年ほど前に国内で犬の気管虚脱治療に金属ステントが使用された時期があったが、そのときはステントの移動やステント破損によりステンレスワイヤーが気管が穿孔したりする事故が少なからずあったが、今回使用したステント素材ではどうか?
A1:そのころステント留置に使用されたのは、Gianturcoステントであり、移動や破損の問題が犬だけでなく人間にもありました。現在の自己拡張型金属ステントでは、移動の問題は、留置前に最大気管径を評価し、それに適したステント径を留置することでほぼ解決されていると思います。破損も、とくにNitinol stentならその弾力や生体適合性から可能性が低いと考えられます。症例2ではそれでも早期破損しましたが、もともとNitinol素材であったので、しなやかに気管壁のラインに合わせて屈曲し気管壁を穿孔しなかったものと考えられます。症例2の破損したステントはVetStentに比べ拡張力が弱かったことも反省点でありますが、逆にこの柔らかさが幸いして穿孔を起こさなかったと思います。

Q2:金属ステントは異物なので、留置自体が咳刺激にならないか?
A2:Nitinol素材は気管粘膜に適合性がよいためか、虚脱部をしっかりステントでカバーするように適切な位置に留置できれば、まずそのもの自体の刺激で咳がでることは経験的にありません。


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