| 猫の右側無気肺 | |||
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プロフィールと来院経緯:ノルウェージャン・フォレスト・キャット、オス、2ヶ月齢。体重1.02kg。「3週間前に呼吸困難始まり徹底した肺炎治療を行ったにもかかわらず胸部異常陰影が広がってきた」とのことで来院。ACプラザ苅谷動物病院 明治通り(東京)より紹介。 |
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| 初診時胸部X線。右肺は無気肺となり右主気管支拡張。 | IPV実施の様子。 | 第37日病日の胸部X線所見。無気肺が消失した。 | 第222病日の気管支鏡所見。右主気管支から分岐するRB1〜4に異常なし。 |
| 経過:問診にて、同腹のもう一匹が死産であったとのこと。身体検査にて、BW1.02kg(BCS3)、T:38.3℃、P:160/分、R:52/分、発育不良、努力性呼吸あり。体を動かすことは可能であった。右側胸部タッピングにて湿咳が誘発された。胸部]線では右肺無気肺がみられ、ビデオ透視にて右主気管支が吸気時に過剰に拡張した。左肺は過膨張を示し、心陰影は不鮮鋭であった。動脈血ガス分析にて、pH 7.46, Pco2 36 mmHg, Po2 43 mmHg, [HCO3-]25.3mmol/L, AaDo2 64mmHgと、換気血流比不均等による重篤な低酸素血症であった。前医での治療歴から、気管支肺炎以外の機序で右無気肺が生じていると考えられた。出生時の状況も考えると気管支肺系が未熟であった可能性あり、気管支肺異形成に由来すると考え、陽圧換気を試みるべきと考えた。幸い一般状態は比較的維持されており、意識下で継続可能なIPV療法を試みてみた。左肺過膨張は代償性と考えられたが、陽圧換気による肺気腫進展を防止するため、操作圧を15psi, 処置中Wedge圧を20cmH2O以下、パーカッションレベルはEasy継続と、圧負荷ないよう低めに設定し、FIo2を30%に設定した。ネブライザ薬剤は、生理食塩液10mlに、ボスミン0.5ml, メプチン0.5ml, ゲンタマイシン0.5mlを混じた。1回の実施時間は15分程度であった。FIo2 0.30のICU入院管理下とし、IPV療法は、初め1日4回実施したが、1週間ごとの血液ガス値や胸部X線所見に応じ、次第に1日1回に減少することができた。治療開始37日目に、胸部X線の無気肺は消失した。このとき血ガスはpH 7.44, Pco2 30 mmHg, Po2 88 mmHg, [HCO3-]20.1mmol/L, AaDo2 26とほぼ正常化した。第40病日退院となった。その後の定期診察でも経過良好であり、それに伴って順調に発育がみられた。第222病日に、気道内部の器質的異常の有無と肺実質領域の問題を調べるため、気管支鏡検査と気管支肺胞洗浄(BAL)を行った。右主気管支系に肉眼的に問題なく、BALも正常所見であった。 | |||
| コメント:IPVを用いて、無麻酔・非挿管下に、低侵襲で非感染性の無気肺を完治させることができた貴重な症例です。 | |||
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