外科 9 脊髄の腫瘍で後肢の対麻痺を示したダックスフンドの例

Mダックス、オス、5歳6ヶ月。体重7.7kg。2週間前より後肢に力が入らず前医にて内科治療を受けるが症状改善せず、当院受診。
初診時。両後肢の対麻痺で起立不能。 脊髄造影。L4-L6にかけ背腹両方に造影剤の充填欠損がみられ脊髄全体の腫脹が示唆された。 術後2日で自ら起立して食事を食べれるようになった。
経過:受診時、後肢不全麻痺にて起立不能だった。痛覚認知はあった。同日、脊髄造影にてL4-L6に脊髄自体が腫大して生じたような造影剤充填欠損像が認められた。翌日、L4-L6において片側椎弓切除術による脊髄の減圧術を行った。術中、硬膜に接して砂状塊状物あり、後に病理検査で「砂粒腫型髄膜腫」と診断された。術後2日で自分で立って食事を食べれるようになった。7日後には10m位歩けるようになり経過良好であった。
コメント:この例はダックスフンドでよくみられる椎間円板ヘルニアではありませんでした。脊髄造影で好発部位よりかなり後ろに異常があったので髄内腫瘍で手術も効果ないかもしれないとも思っていました。でも大学でのMRI撮影を待っては1-2ヶ月先になってしまいそれまでに状態悪化する可能性もあり手術を行いました。結果はよかったですがちょっと冷や汗ものでした。
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