気管支鏡検査一覧

症例487

VB#487-ヨシトメミコ150815BS2-RB2内粘液【症例487動画】 みこちゃん。マンチカン 10ヶ月齢 メス、体重2.6kg。来院経緯と主訴:2ヶ月齢時に伝染性鼻気管炎になり、抗菌剤治療等で1ヶ月ほどで症状が緩和したが、現在も鼻/くしゃみや鼻づまり症状が続いている。発作性の咳のような症状も1日数回あり、苦しそうにしている。2015年8月15日、精査希望のため呼吸器科受診。最終診断は、リンパ形質細胞性鼻炎および慢性気管支炎。既往歴:なし。 問診:2ヶ月齢時のFVR発症時は常に鼻汁/くしゃみと結膜炎症状があった。症状が緩和してからは、くしゃみ/鼻汁/スターターは1日おき程度に1日1-2回続いている。発作性に頸を伸展して5秒間位続く咳が毎日1日1-2回生じる。このような症状以外は特に問題なく過ごしている。 診察時徴候:呼吸状態は安定しスターターも認められなかった。 臨床検査所見:血液ガス分析、CBC/血液化学検査、X線および透視検査とも異常所見なし。鼻鏡検査にて鼻咽頭粘膜の凹凸不整あり、この部分の擦過細胞診にて大小リンパ球の著しい増加が認められた。 喉頭および気管気管支鏡検査所見:肉眼所見にてRB2内に粘液貯留あり。この粘液のブラッシング細胞診にて好中球、上皮細胞、大リンパ球(矢印)あり。気管支肺胞洗浄液解析(RB2。5ml×3回。回収率59.0%)にて、性状はほぼ透明だが粘液小塊が2片あり、総細胞数は軽度増加250/mm3 (55-105/mm3)、細胞分画ではマクロファージ25.8%(正常82%)、リンパ球0.5%(正常2.7%)、好中球67.8%(正常4.0%)、好酸球6.0%(正常10%)、好塩基球0.0%(正常0%)であり、腫瘍細胞なく、慢性活動性炎症パターンが認められた。 確定診断:リンパ形質細胞性鼻炎および慢性気管支炎。 鼻腔、RB2内粘液、気管支肺胞洗浄液にて細菌培養陰性。 最終治療:フルナーゼ点鼻1日2回両鼻1スプレーずつ。 転帰:状態良好のため検査当日退院。経過観察中。