気管支鏡検査一覧

症例456

モリヤマジル150418BS 喉頭術前

症例456動画】 ジルちゃん。ラブラドールレトリーバー 12歳 メス 26.5kg。来院経緯と主訴:水野動物病院(東京都)より診療依頼を受けました。主訴は持続性高調ストライダー。2015年4月18日、精査加療希望のため呼吸器科受診となった。最終診断は喉頭麻痺。 既往歴:特になし。 問診:4ヶ月前より興奮時ストライダーあり、次第に悪化し、2週間前に高調ストライダーからチアノーゼを発症した。以後、安静時でも高調ストライダーがあり、毎日2-3回チアノーゼを発症している。数年前から床越しに聞こえるほどの大きないびきあり(レベル5/5)。 診察時の徴候:持続性の嗄声様パンティングあり。歩行可能。 臨床検査所見:Pao2 77mmHg, CRP 0.10mg/dl。頭部透視検査にて披裂軟骨運動なし。胸部x線検査にて右後肺野に直径34mmの境界明瞭な孤立結節陰影あり。 喉頭気管気管支鏡検査所見:チオペンタール浅麻酔下に両側披裂軟骨小角結節の外転がみられないのみならず、喉頭虚脱に至っていた。可視範囲内の気管気管支樹内に肉眼的異常を認めなかった。最終診断:喉頭虚脱を伴った後天性特発性喉頭麻痺。治療:軟口蓋切除術および左側披裂軟骨側方化術。気管切開術を実施した。 転帰:術直後、起立可能。術後2日で気管切開チューブ抜去。術後6日目から散歩にて立ち止まらなくなった。術後7日目、高調ストライダーやチアノーゼは生じず、一般状態はほぼ改善し、退院となった。術後10日目、癒合良好であり抜糸完了した。頸部に漿液腫が生じ14ml貯留液を抜去した。一般状態はとても良好であった。術後15日目、漿液種は消失していた。一般状態、呼吸状態とも良好とのことだった。