気管支鏡検査一覧

症例452

オカゾエアンディ150327BS-吸気時の声門裂の奇異運動-1

症例452動画】 アンディちゃん。スタンダード・プードル 11歳 オス 30.0kg。来院経緯と主訴:ベルどうぶつクリニック(町田市)の岡添院長先生ご自身が飼われているということで診療依頼を受けました。主訴は散歩時の異常呼吸音。 2015年3月27日、精査希望のため呼吸器科受診。最終診断は喉頭麻痺。既往歴:馬尾症候群+椎間板ヘルニア(2年前より温存対処)、夜間gagging/retchingが続き上部消化器および胸部および腹部CT検査実施し胃の運動性低下と気管支拡張症の可能性を指摘された(1年前)。慢性肝疾患(内科療法継続)。 問診:2ヶ月前から散歩時や興奮時のみにゼーゼーいう。鳴いたあとに短い強い咳をする。いびきなし、睡眠可能。チアノーゼ歴なし。診察時の徴候:歩様異常なし、嗄声様パンティングあるが吸気度努力にならない。診察台上で起立可。大腿筋量十分。その他の臨床検査所見:Pco2 23mmHg、Pao2 101mmHg、CRP 0.15mg/dl。透視検査にて披裂軟骨外転不明瞭および動的頸部気管虚脱、頭頸部および胸部X線検査にてほぼ問題なし。喉頭気管気管支鏡所見:喉頭に器質的異常なし。チオペンタール浅麻酔下に吸気時に声門裂開口が認められず、深呼吸時に声門裂は内転する奇異運動が認められた。 最終診断:後天性特発性喉頭麻痺。 治療:チアノーゼが生じていないとのことなのでしばらく過度な興奮を避けて様子観察。 転帰:検査直後パンティングと高体温が生じ起立不能。30分間冷やしたタオルを当て通風にて管理し呼吸は正常に回復し、起立し歩行し始めた。即日退院。