気管支鏡検査一覧

症例446

コバヤシヨツバ150207BS 喉頭-処置前

症例446動画】 よつばちゃん。フレンチブルドッグ 6歳齢 メス 体重8.42kg。郡山東たんぽぽ動物病院(福島県)より診療依頼を受けました。 症状:2014.5.4興奮後ストライダーによりチアノーゼ、肺水腫を発症し入院治療となった。その後、散歩時や興奮時に吸気性高調異常呼吸音を伴うストライダーが頻発し、胸郭を大きく外方に広げる吸気努力を伴っていた。プレドニゾロン錠5mg 1錠とセファレキシン錠250mg 1/2錠を発症時投与し症状緩和させていたが、数週間前より次第に頻度および程度が悪化してきた。最終診断は喉頭虚脱ステージ3および過剰に伸展した反転喉頭小嚢。その他の臨床所見:呼吸困難発症以外は食欲元気あり。WBC低値(3100/mm3)、CRP0.10mg/dl。高炭酸ガスおよび低酸素血症(Paco2 42mmHg, Po2 76mmHg)、AaDo2開大は軽度。頭部X線および透視検査にて喉頭内を閉塞する遊動性のポリープ状病変陰影あり。吸気時に喉頭を閉塞し異常呼吸音と同期した。軟口蓋過剰および咽頭背側壁軟部組織過剰による咽頭閉塞あり。 喉頭および気管支鏡所見:喉頭は全体的に浮腫状を呈し、喉頭虚脱と過剰に伸展した反転喉頭小嚢により閉塞していた。気管上部には咽頭液と思われる白色分泌物が大量に流入しており、気道粘膜全体が発赤していた。 最終診断:喉頭虚脱ステージ3および過剰に伸展した反転喉頭小嚢。  治療:一時的気管切開術実施下に、軟口蓋切除術および喉頭小嚢切除術。切除したポリープ状に腫大した喉頭小嚢は腫瘍との鑑別のため病理組織検査に供した。 転帰:術後気管切開チューブ留置により問題なく覚醒。気管切開下には問題なく元気食欲あり。8日後、気管切開チューブが自然滑脱していたが努力呼吸なかったのでその日退院。在宅ネブライザー療法(生食20ml+ゲンタマイシン0.5ml+ボスミン0.5ml+ビソルボン0.5ml/回、1日2回)を継続してもらうことになった。1ヶ月後検診。歩いても走ってもストライダーにならず、いびきもなく調子よいとのことだった。1年後にも検診にて、やはり同様に興奮後ストライダーにならないとのことであり、飼主の初期症状改善度評価は5/5(完全に改善)であった。現在はネブライザー療法は1日1回で管理しているとのことであった。