気管支鏡検査一覧

症例444

VB#444-喉頭虚脱-タカハシルンタ150123喉頭症例444動画】 ルンタちゃん。トイプードル 8歳齢 オス 体重2.70kg。大崎動物病院(千葉県)より診療依頼を受けました。症状:数ヶ月前からいびきがときどきみられるようになり、3週間前から頻度増加、2週間前から睡眠時以外でもいびき様呼吸音がみられるようになり苦しそうになってきた。最終診断は喉頭虚脱。その他の臨床所見:意識清明で活発に動いているときには異常呼吸音は生じず一般状態良好。摂食、飲水障害なし。体重増加なし。興奮しやすくすぐにパンティングが生じる。血液ガス分析にてPco2 20mmHg、Pao2 112mmHg, AaDo2 14 mmHgを示し肺機能正常だが過剰に興奮し過換気。CRP 0.30mg/dl。咽頭虚脱疑いにてミルナシプラン1mg/kg POを試みたが効果なく、やはり睡眠できないとのことで4日後再受診。頭部X線および透視検査にて明瞭な構造的および機能的咽頭閉塞認められず。鼻鏡検査でも鼻咽頭内に閉塞病変は認められず。喉頭および気管支鏡所見:披裂軟骨小角突起が固く内転し喉頭虚脱を示した。披裂軟骨外転は十分あり喉頭麻痺は認められなかった。両側声帯ヒダ部分に小結節病変が認められた。炎症性ポリープと思われた。気管以降に異常なし。 最終診断:喉頭虚脱(喉頭麻痺を伴わない)。 治療:永久気管切開術。 転帰:術直後より呼吸困難改善し終日熟睡。翌日、元気に動き回るようになった。2週間後、元気に退院。現在自宅管理にて様子観察。