気管支鏡検査一覧

症例443

キムラエル150116BS-喉頭観察-術前症例443動画】 エルちゃん。ラブラドールレトリーバー 12歳 オス 22.5kg。矢敷動物病院(相模原市)より診療依頼を受けました。症状:5ヶ月前から興奮時ストライダーあり、次第に頻度増加。一昨日、呼吸困難が止まらなくなった。呼吸器科に来院時、高調ストライダーが止まらなくなっていた。最終診断は喉頭麻痺。その他の臨床所見:歩様不安定。診察台上で起立不可。全身的に筋量低下。しかし活動的。ストライダー発症中、透視検査にて咽頭が著しく拡張し喉頭が大きく後退、Pco2 36mmHg、Pao2 80mmHg, CRP 3.90mg/dl。胸部X線検査にて肺野ほぼ問題なし。気管支鏡所見:喉頭に器質的構造異常なし。披裂軟骨小角結節部は著しく発赤し、左右結節部の間隙は縮小、狭窄し、結果として声門裂は縮小していた。吸気時に両側披裂軟骨外転なく、ときに吸気時に声門裂が接着した。 最終診断:後天性特発性喉頭麻痺。 治療:片側披裂軟骨側方化術。披裂軟骨は内方に強く変位し側方化にやや抵抗が生じた。転帰:術後経過良好。入院中、当初階段を上り下りできなかったが1週間経過でスムーズに上り下りができるようになり、歩様も当初より軽快になった。軽い運動で嗄声様パンティグが生じるが立ち止まることはなく動き続ける事ができ、非常に激しく興奮すると短時間ストライダーが生じる始めるが休ませるとすぐにストライダーは消失した。2週間後、元気に退院した。