気管支鏡検査一覧

症例441

症例441動画】 ナッツちゃん。雑種犬(プードルXパピヨン)9歳 メス 6.52kg。夕やけの丘動物病院(横浜市)より診療依頼を受けました。症状:慢性鼻汁/くしゃみ。10ヶ月前より粘液膿性鼻汁と逆くしゃみが1日0-2回続く。5ヶ月前に誤嚥性肺炎発症、その後から単発性咳頻発。最終診断は慢性特発性鼻炎。その他の臨床所見:カフテスト陰性。診察時に短く数回で終わる咳が数回あり。CRP0.15mg/dl。Pao2 85 mmHg, AaDo2 31 mmHg。X線および透視検査で、頭部にて咽頭気道領域の不鮮鋭化、胸部にて後肺野にわずかに間質陰影あり。後部鼻鏡検査にて左後鼻孔が粘液で閉塞し、前部鼻鏡検査にて両側鼻腔内に粘稠分泌物貯留していた。喉頭鏡検査では喉頭の明瞭な発赤が認められた。鼻粘膜生検の病理検査および鼻汁培養検査中。 気管支鏡所見:頸部気管は発赤。右主気管支内に白色粘液塊あり。気管支肺胞洗浄液解析(RB2, 10mlX2, 回収率32%)を行った。総細胞数正常(238/mm3, 正常82-286/mm3)、細胞診にて細胞分画ではマクロファージ95.0%, リンパ球2.8%, 好中球 2.2%, 好酸球 0.0%, 好塩基球 0.0%であり、腫瘍細胞は認められなかった。細胞診では正常範囲内であった。ブラッシング、BALFとも微生物検査にて細菌および真菌陰性。 最終診断:慢性特発性鼻炎。 治療:長期在宅ネブライザー療法。  転帰:検査当日元気に退院。経過観察中。