気管支鏡検査一覧

症例428

症例428動画】 ナッシュちゃん。雑種犬  12歳齢 メス 体重17.40kg。セラピスト動物病院(町田市)より診療依頼を受けました。 症状:6ヶ月前より嗄声、2ヶ月前より運動時や興奮時にストライダーが悪化し苦しそうな呼吸をする。プレドニゾロン1mg/kg 1日1回投与にて呼吸症状は緩和する。最終診断は喉頭周囲の甲状腺癌。その他の臨床所見:頭部X線検査にて喉頭部に軟部組織濃度のマス陰影あり、Pao2 67 mmHg、CRP 0.05 mg/dl、喉頭周囲皮下組織に帯状に弾力ある隆起あり、気管切開を試みたが気管周囲結合組織や皮筋に血管が豊富に分布し止血難のため断念し、周囲皮筋および脂肪下の喉頭周囲の赤色腫大組織を生検し、1週間後に甲状腺癌と病理診断された。 気管支鏡所見:著明な喉頭浮腫、吸気時声門裂外転なし、楔状結節が常時接着、反転喉頭小嚢、上部気管の著明な充血あり。喉頭小角突起腫脹部の一部を生検し、浮腫を伴った軽度の炎症と病理診断された。 最終診断:喉頭周囲を取り囲むように甲状腺癌が生じ、二次的に喉頭麻痺+喉頭炎+喉頭虚脱+気管炎が認められた。 治療:検査時に喉頭小嚢切除術。 転帰:検査および術後状態良好。ストライダーは軽減した。現在、麻布大学放射線科にて放射線治療を実施中。呼吸状態は安定しているとのことだった。