気管支鏡検査一覧

症例424

症例424動画】 シナちゃん。雑種猫 14歳 メス 3.06kg。山口獣医科病院(大和市)より緊急転送。症状:4日前より急に元気食欲消失、飲水も不可、嗄声、1日20回以上レッチング(のどに何かひっかかり吐くような仕草、空嘔吐)、時折開口呼吸しながら横臥状態となり、内科療法を続けても症状が進行した。受診時発熱(39.5℃)あり。最終診断は急性喉頭炎。その他の臨床所見:室内外出入りあり、予防注射接種歴なし。胸部X線検査にて肺過膨張あるが血液ガス正常(Paco2 28mmHg, Pao2 94mmHg, AaDo2 23mmHg)なので肺気腫ではないと考えられた。もう一頭の同居猫が3週間前に急性感染症(発熱、嘔吐、食欲低下)に罹患し1-2週間ほど入院治療を行っていた。1ヶ月前より2-3回続く軽い咳あり。気管支鏡所見:喉頭口全周の発赤と浮腫。披裂軟骨の外転運動は良好。喉頭ブラッシングにて細菌陰性、喉頭粘膜生検にて非腫瘍性だが、壊死を伴う炎症性病変と病理診断された。最終診断:急性喉頭炎。治療:入院治療。胃ろうチューブ設置にて非経口的に栄養投与、ネブライザー療法(生食20ml+ゲンタマイシン0.5ml+ビソルボン吸入液0.5ml+ボスミン外用液0.5ml/回 1日2回)継続。転帰:現在入院治療中。非経口栄養投与およびネブライザー療法の治療開始4日目で自力摂食可能となり、声や全身状態も改善してきた。