気管支鏡検査一覧

症例423

症例423動画】 メルちゃん。ペルシャ 6ヶ月齢 メス 2.44kg。飼い主希望で受診。症状:自宅で生活し始めて1ヶ月位から浅速呼吸、興奮時開口呼吸あり、抗生剤やステロイド投与でも症状改善せず4ヶ月が経過し、次第に進行している。安静時は元気食欲あり問題なし。最終診断は、原因を特定できない慢性の間質性肺炎。その他の臨床所見:Pao2 86mmHg。胸部X線検査にて肺野にびまん性スリガラス状陰影、頭部X線検査にて軟口蓋過長による咽頭閉塞あり。GPT 369U/L, ALP 654U/L。気管支鏡所見:喉頭鏡にて軟口蓋過長あり、気管支鏡では喉頭から気管気管支樹にかけ肉眼的に異常なし。気管支肺胞洗浄液解析(RB2, 5mlX3, 回収率66.7%)の細胞診にて、総細胞数は増加(695/mm3, 正常140-342/mm3)、細胞分画ではマクロファージ87.5%, リンパ球0.8%, 好中球 4.0%, 好酸球 7.8%, 好塩基球 0.0%であり慢性炎症パターンを示した。細菌は検出されなかった。最終診断:原因を特定できない慢性の間質性肺炎および軟口蓋過長症。環境由来の刺激性吸引物質やトキソプラズマ症の関連が示唆された。軟口蓋過長も開口呼吸に関わっているかもしれない。治療:室内の刺激性吸引物質と考えられるものの使用中止、食事内容の変更、ストレスを避け十分な栄養と休養、肺血栓塞栓症予防(ルンワン粒 1日2回1/4錠づつ)。転帰:経過観察中。