気管支鏡検査一覧

症例417

症例417動画】 エルフちゃん。フレンチブルドッグ 2歳 メス 5.85kg。かとうどうぶつ病院(埼玉県)より診療依頼を受けました。最終診断は喉頭虚脱ステージ2。症状:1ヶ月前よりチアノーゼを4回起こしている。閉口時高調ストライダーあり、息ができなくなる。現在、自宅で数歩動くと立ち止まる。その他の臨床所見:幼少時より非常に大きないびきあり、外鼻孔狭窄なし、軽度の低酸素血症(Pao2 73mmHg)および高炭酸ガス血症(Paco2 42 mmHg)、頭部X線検査にて軟口蓋過長と舌根後退による構造的咽頭閉塞、小角結節部の腫脹、透視にて吸気毎に高調気道狭窄音を伴い喉頭が大きく後退あり。気管支鏡検査所見:左右小角結節の接着および反転喉頭小嚢、声門裂の外転運動あり、小角突起および楔状突起の腫脹あり。最終診断:喉頭虚脱ステージ2(leonardの分類に従う)。治療:一時的気管切開、軟口蓋切除術、喉頭小嚢切除術、術後気管切開チューブ設置。転帰:術後2日目で気管切開チューブ抜去可能。ネブライザー療法(生食20ml+ゲンタマイシン0.5ml+ビソルボン吸入液0.5ml+ボスミン外用液0.5ml/回 1日2回)を5日間続け、3時間自由に活動し続けてもストライダーが生じないことを確認して退院。在宅ネブライザー療法継続し、術後1ヶ月後再診時にて、とても元気になり家中を同居犬と駆け回っているとのこと。院内でも全速力で駆け回り続けてもストライダーは生じなかった。頭部X線および透視検査にて咽頭気道が開存し、動脈血ガス分析にて換気状態が改善していることを確認した(Paco2 42 mmHg → 38 mmHg)。