Blog-Dr城下の呼吸器雑記帳

Flow by酸素投与法は? Ⅱ型呼吸不全の場合、酸素濃度的に高濃度になり過ぎないか?

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100%酸素を、チューブを介して鼻先から2cm離して投与します。この場合、加湿が必要となります。方法とFIo2については添付資料を参考にしてください。この資料によると体重10kgの犬では2L/分の酸素流量でFIo2(吸入気酸素分圧=気管内酸素濃度)は約80%になります。同様に1L/分で約60%、0.5L/分で約40%です。もし、Ⅱ型呼吸不全と認識されている場合、開口呼吸や呼吸促迫の場合は、体重10kg以下の動物であれば2L/分から開始し、開口呼吸やチアノーゼなどが消失すれば、酸素濃度を下げたり、距離を離します。Ⅱ型呼吸不全で高濃度酸素が危険ですが、急性呼吸促迫時には重篤な低酸素血症に陥っていることが多いので、短時間は高濃度酸素投与が必要となります。しかし、Ⅱ型呼吸不全の急性呼吸促迫時の多くの場合は高濃度酸素でただちに、開口呼吸やチアノーゼが消失するので、そこからは過度な高濃度酸素投与に注意すべきです。

参考資料

犬と猫の呼吸器疾患より-Flow-byについて(犬と猫の呼吸器疾患、インターズー、2007、p247−248)