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CO2ナルコーシスの症状・判断方法

2017/11/22

CO2ナルコーシスの症状、ヒトでは、「This syn­drome is characterized by increasing PaCO2 levels, aci­demia, stupor, and coma. Additional clinical signs suggestive of mild-to-moderate hypercardia include decreased cerebral function, headache, drowsiness, lethargy, and asterixis.」と記載されています(Malley WJ. Clinical Blood Gases: Application and Noninvasive Alternatives. Philadelphia: WB Saunders, 1990. pp184-185)。 すなわち、重度の高炭酸ガス血症、酸血症、混迷、昏睡が特徴ですが、初期には高炭酸ガス血症に伴い、頭痛、小脳障害、傾眠、沈鬱、羽ばたき振戦が認められます。

酸素分圧と炭酸ガス分圧は相反して変化するため、急激なFIO2上昇は、急激なPao2増加をもたらすと同時に、急激なPaco2増加を引き起こします。短時間でFIO2を急増させることは、Ⅱ型呼吸不全患者には上記のような急性の意識レベル障害を引き起こす可能性があります。

CO2ナルコーシスは急性呼吸性アシドーシスが相当する病態と考えられますが、私の知る限りの獣医学での文献では、明確なその臨床症状の記載は見つかりませんでした。慢性呼吸性アシドーシスでは、犬で努力呼吸が認められるとされていました(DiBartola SP. Fluid Therapy in Small Animal Practice. 2nd ed. Philadelphia: W.B. SAUNDERS COMPANY, 2000. pp245-246)。理論的にはヒトと同様の意識障害が認められ、努力呼吸なども伴うと思われます。

判断方法は、まず酸素療法に入る前にⅡ型呼吸不全にあるかどうか認識または血液ガス分析にて把握しておいたうえで、高濃度酸素吸入を行なった際に、酸素投与前は意識清明であったものが、傾眠や意識障害を伴いつつ、努力呼吸や呼吸状態不安定になったときに疑われます。逆に酸素分圧やSpo2 は維持されているかもしれません。このときの処置としては、酸素濃度を下げるか、一度室内気環境に置くか、室内気環境にて呼吸状態をみながらFlow-byにて酸素投与を行います。