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視診(Inspection)

2015/11/10

上気道

猪首:慢性上気道閉塞疾患を示唆

舌の脱出:睡眠時も含め常時舌の口腔外脱出が認められる場合、構造的咽頭閉塞が考えられます。睡眠時に舌脱出がある場合、いびきは軽減するか消失します。もし、そのような犬が口を閉じて眠れば、確実にいびきか睡眠時無呼吸が生じるでしょう。その代償行動のため舌は口腔外に脱出します。肥満などが咽頭閉塞に大きく関わっている場合は、肥満が解消すれば舌は口腔内にしっかり収まっていきます。睡眠障害も緩和もしくは認められなくなります。(喉頭および気管気管支鏡検査アーカイブ-症例550)

傾眠:睡眠障害や睡眠時無呼吸を示唆

吸気に同調した開口呼吸:鼻閉や咽頭閉塞が重度で閉口して鼻呼吸ができない状態です。

中枢気道

末梢気道および肺実質

呼吸困難(Dyspnea)は本来患者が訴える症状(symptom)を指します。患者の「息苦しい」という感覚であり、空気飢餓感とも言われ、換気要求の増加がその動物の換気応答能力を超えているときに生じます{West, 2008 #3383}。急性呼吸困難は、他覚的な徴候(sign)として表現すると呼吸促迫(respiratory distress)に相当し、表07のような過剰な呼吸負荷に対する種々の代償性姿勢変化や行動変化が認められます。右列の所見は下方に行くほど重篤であることを示し、代償不能になると起立不能となり失神します。急性呼吸困難では、頻呼吸、チアノーゼ、呼気時喘鳴音を確認します。肉眼的に明らかなチアノーゼが認められれば動脈血酸素分圧が39~44mmHg以下の重篤な低酸素血症が存在していることを示します。

頻呼吸と呼気性喘鳴音は前章を参照ください。

慢性呼吸困難では、徴候としては、前項に示したように、浅速呼吸、努力呼吸、呼気努力、奇異呼吸の4つの呼吸様式の異常で表現します。詳細は前項を参照ください。

フレイルチェストは2ヶ所以上の肋骨が連続して骨折した場合にみられる奇異的呼吸運動です。肋骨骨折部分が吸気に陥没し呼気に突出します。

また、経過が長いと、体型の変化が現れます。樽胸とは樽のように大きくなった胸郭拡大のことで、慢性閉塞性肺疾患や肺気腫を示唆します。削瘦は呼吸症状の常在と慢性化、腹囲膨満は肝腫大や腹水など右心不全徴候が肺性心との関連を疑わせます。

パンティングは1分間で200-400回の頻度をもつ浅く速い呼吸のことをいいますが{King, 2004 #2785}、呼吸困難ではなく体温調節のための正常な生理活動です。一回換気量はほぼ死腔容積と同じなので過換気になりません。頻呼吸とは症状が似ていますが、病的であるということが異なります。ですから、周囲の気温や運動後や興奮に関係なく、頻呼吸の状態は続きます。

来院時、呼吸困難を確認すれば診察より先に酸素室に入れてから観察を行います。心肺疾患も上気道疾患も伴わない動物の熱中症ではチアノーゼを示さず逆に高酸素血症を示します。

最終更新日:2015.11.10